もふもふ大好き 怪盗仏陀

のんびりと更新します。

『しおりん』は種子島産。 種子島のお話

『おじゃり申せ。 種子島
この『おじゃり申せ』……意味は『ようこそいらっしゃいませ』と云う島言葉です。言葉通り種子島は 『おもてなしの島』でした。


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去年の10月 私は仕事で種子島に行って来ました。初日は快晴で天気に恵まれていたのですが 数日後に台風が上陸すると情報が入り 案の定 天気は下り坂に…そして とうとう 巨大台風が上陸。その日は奇しくも私が帰る日でした。飛行機も船も 共に欠航…私は種子島から出ることすら出来なくなりました。

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結局 丸二日間の足止めを食らう事となり…まぁ それも致し方なし という事で…すぐさま 思考を切り替えて楽しみましょう。モノノフは『ピンチはチャンス』という素晴らしい言葉を持っています。


そこで まず始めたのは…しおりんのおばあちゃんのお店探しです。しおりんが母の故郷 種子島で生まれたのは モノノフでは 常識で有名な話です。
お店の名前は『あやの食堂』 これは直ぐにわかりました。… タクシーの運転手さんに聞いたら一発でわかりました。全国からしおりん推しのモノノフさんが来るそうで 月に何度も行っているそうです。その運転手さんと台風接近で大粒の雨が降っているなか 『あやの食堂』に行ってチャンポンを食べました。しおりんのおばあちゃんはとても優しく迎え入れてくれました。


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あやの食堂


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しおりんのおばあちゃん


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しおりんの写真やサインがいっぱい



…しかし 巨大台風がどんどん近づいています。 『あやの食堂』には そう長居は出来ないと…おばあちゃんに早々に挨拶を済ませ 直ぐにホテルに戻り 巨大台風の上陸に備えます。その後は 台風が過ぎ去るまでホテルから出られません。


…ホテルの食堂には 本棚スペースがあり ちょっとした図書室ような所です。そこで種子島の歴史という本を見つけました。私は 巨大台風が過ぎ去るまで その本を読み続けました。


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日本は島国で 外国船が難波し村人が総出で救助にあたった話は 全国各地の浜にたくさんあります。
特に 鹿児島県種子島には 歴史に残る難波船の救助活動がありました。


……それは 戦国時代の種子島【鉄砲】伝来の時です。正史によると 1543年9月23日に明の船が台風で難破し、漂流の末に種子島に漂着しました。


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明船にはフランシスコ、キリシタダモッタら3人のポルトガル商人が乗船しており、鉄砲という新兵器を持っていたそうで 時の島主の種子島時尭(16歳)は南蛮人に試し撃ちさせてその威力に驚き、2千両を支払って二挺を購入したとの事です。
このとき 島人は台風の荒海の中 命懸けで船員を助け その後 半年にかけて 自分達の家に向かい入れ 手厚くもてなしたそうです。



更に……1894年【明治27年】南種子村 浜町の沖合いでイギリスの帆船が座礁しました。船の名はドラムエルタン号。島人たちはホラ貝を吹き 仲間を集め 嵐の海を泳いで船員たちを救助しました。幸いにして死傷者もなく コールウェル船長以下29名の乗組員たちは 無事上陸することが出来たそうです。島人は自分達の家を提供し手厚くもてなしました。小学校の校長先生が筆記通訳にあたったと言います。


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船の修理には約4ヶ月かかり その間 島人は『ええ 異国船員』を親しみを込めて『インギーさん』【イギリス人のこと】と呼び交流を深めたそうです。迅速な救助と手厚いもてなしを深く感謝した コールウェル船長は『島の皆さんへ 感謝の気持ちを表したい』と島を離れる前に11羽の鶏を送りました。


この鶏は小型で尾羽が無い珍しい鶏でしたが もともと食料用として 船で飼われていただけに味もよくたくさんの卵を産みました。 島人たちは『インギー鶏』と呼び この鶏を現在まで大切に育ててきました。 今では鹿児島県の天然記念物になっている鶏です。


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インギー鶏コーチン種の系統に属する中国南部の品種と考えられます。ドラムエルタン号が種子島で難破する前に中国の南部で食料用として船に載せ飼育していたと思われます。100年以上にわたる改良・淘汰で固有の鶏種として確立されていると考えられることから,遺伝学の分野から見ても貴重とのことです。今では 天然記念物なので食することは出来ませんが 島の大きな地鶏と掛け合わせた『インギー地鶏』は島の特産品です。 味は雉と鶏の間の野性味溢れるしっかりした味です。とても 美味しいです。


皆さんも機会があれば 種子島におじゃり申せ。


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しおりん祖母の『あやの食堂』チャンポンも美味しかったですよ。