もふもふ大好き 怪盗仏陀

のんびりと更新します。

「農業」と「農」…生命は調和とバランスで成り立っています。


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農業を語るには 「農業」と「農」という区別があるので注意しないといけない。 流通と生産性を高め経済の一環として捉えるのが「農業」です。

 

「農」は 日本の文化と捉えているといいます。地域の農地にあった季節の作物を植え収穫する。農にまつわるお祭りは日本各地にあります。やはり農業を語るには 「農業」と「農」の考えの区別が必要と感じました。

 

確かにどちらも大切です。共有を考えている農家さんもいらっしゃると思います。 宮沢賢治は 農家に農薬の重要性を教えていたそうです。宮沢賢治は「農」を「農業」に転換させようと努力していました。

 

それから100年、農業の技術は 私たちが想像出来ないレベルまで発展しました。DNAを操作する技術は年々飛躍的に進化しています。

 

農水省は作物のゲノム編集品種を増やそうとしています。ゲノム編集品種は 人工的に新しい作物を作ることです。将来 日本が目指そうとする「農業」がそれです。

 

「農」の思想は そこにはありません。  自然界は 調和とバランスで成り立っています。その調和とバランスを壊すことで 様々なことができます。私たちはDNAの遺伝子操作の技術を持ちました。研究者は世界の食不足に貢献出来ないかと研究を重ねて「遺伝子組み換え」→「ゲノム編集」と発展させています。

 


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遺伝子組み換えとは…

① 遺伝子組み換え…他の種の生物の遺伝子を付け加える技術です。例えば、トマトは暖かい地域の作物です。寒冷に強いトマトを作るのにヒラメの遺伝子を付け加えました。 それは、ヒラメは血液が凍らない遺伝子を持っていたので その特徴の遺伝子を取り出して トマトの遺伝子に加えました。→製品化にはなっていません。

 

ゲノム編集とは…

②ゲノム編集…現在わかっている働きのDNAをカット・破壊する技術です。 生物は何かのきっかけで突然変異をします。その変異を人工的にさせる技術です。例えば、、生物には成長を促すDNAと成長を抑えるDNAがあります。ブタでは成長を促すDNAをカットすると マッチョブタになり、成長を抑えるDNAをカットするとマイクロブタになります。マイクロブタは 海外ではペットとして人気です。

 

これら技術は、食物にまで使われています。ゲノム編集品種は 自然界の突然変異と同じで、人工的な変異だとしても安全という理論が根拠になっています。


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現在のゲノム編集品種は?

 

Q.ゲノム編集で現在どのような作物があるのか。

①大豆…高オレイン酸大豆(カリクスト社)主に食用油
②菜種…除草剤耐性ナタネ(サイバツ社)主に食用油

 

Q.今年 栽培が行われそうな作物は。

① 高植物繊維小麦…カリクスト社。
うどん粉病耐性小麦…カリクスト社。  

 

Q.開発中の作物は。

①高収穫小麦…コルテバ社
グルテンフリー小麦…英国

 

【注意…現在、日本で育成している農作物には「遺伝子組み換え作物」はありません。今 遺伝子組み換えは、花などの品種改良に使われています】

 

農業関係者は、私たちに「遺伝子組み換え品種」「ゲノム編集品種」に対する嫌悪感があるので、日本では農家は作らないだろうと言います。将来の農業の行方は、あくまでも私たち消費者の選択になると任されています。

 


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私は、ずっと気になっていた農水省の発言があります。遺伝子組み換え作物は安全なのかの質問に、農水省は「食品安全委員会で安全だとのことで、それに反論することはありません」と言っていました。調べると農水省の安全性の根拠は、厚労省食品安全基本法食品衛生法でした。

 


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もしかして農水省の基準と厚労省の基準が違うのかなと疑問が沸きました。

 

農水省環境省の安全性の基準…

農林水産省は、遺伝子組換え農作物のほか、遺伝子組換えされた動物や微生物の農業利用による生物の多様性への悪影響を防ぐため、法に基づく生物多様性への影響評価や管理を行っています。 カルタヘナ法で多様性を確保する観点で規制がありました。【カルタヘナ法は 環境省管轄】

 

厚労省の安全性の基準…

厚生労働省では、組換えDNA技術の応用による新たな有害成分が存在していないかなど、遺伝子組換え食品等の安全性について、食品安全委員会の意見を聴き、総合的に審査をしています。安全性審査で問題がない場合にのみ、遺伝子組換え食品等を製造・輸入・販売することができます。との事でした。

【今後、ゲノム編集食品は表示も申請はなくなります】

 

 

農水省環境省カルタヘナ法に基づいた規制がありました。一方厚労省食品安全委員会の意見を聞き 総合的に判断するという事でした。

 

遺伝子組み換え作物」の安全性と「遺伝子組み換え食品」の安全性に、この違いがありました。

 


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ゲノム編集の技術には 三通りあります。

①切断カットするタイプ。
②切断した所に別のDNAを挿入するタイプ。
③切断した所に長いDNAを挿入するタイプ。

①は農水省環境省厚労省も規制していません。②は環境省が規制しています。③は三省とも規制しています。

 

各省庁でも立場が違うと、見解が異なっているのがわかりました。

 

ゲノム編集品種の取り巻く環境は 

種苗法改正で登録申請の料金が安くなり申請がしやすくなる。
②ゲノム編集食品の表示や届け出が必要なくなった。
③ゲノム編集品種は、一年、二年で作出できる。

 

…ゲノム編集品種の環境整備が整えつつあります。30年前の農家は殆どが自家採種でした。それが たった20年で日本の野菜の90%が F1品種になりました。農業は数十年単位で考えるものと教わりました。

 

ゲノム編集技術は新しい技術です。生命を人工的に新しく生み出す技術です。私たちは食物として人類で初めてその産み出された生物や食物を食する訳です。ゲノム編集品種は 安全なのだろうか? それは何十年も掛けて検証しなければ分かりません。

 

ゲノム編集は自然界の突然変異と同じで安全と言います。理屈では解るのですが、私は、観念的に受け入れられません。自然界は 調和とバランスで成り立っています。どんな遺伝子でも自然界では必要なものなのではないでしょうか。

 

最後に朗報を。
有機、オーガニックはゲノム編集品種を含まないと 去年の秋に農水省は決定しました。