もふもふ大好き 怪盗仏陀

のんびりと更新します。

音事協って 芸能界の「掟」です。

 芸能界ってところは…鈴木亜美さんの場合。

 


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鈴木亜美さんは、独立で失敗していなければ、浜崎あゆみさんと並ぶビッグスターの座を維持できていたかもしれないと思うと残念です。彼女の場合、独立をしようとしたのが芸能界で問題とされたわけです。きっかけとなったのは、当時所属していた事務所社長の脱税に絡む逮捕でした。

 

普通、勤務している会社の社長が逮捕されたら、辞めたくなるものでしょう。亜美さんも会社を辞めようと、2000年末、契約終了の確認を求める訴訟を事務所に対して起こしましたが、その独立に向けた行動は芸能界では許されませんでした。ここでいう「芸能界」とは、タレントの引き抜きや独立を認めていない「日本音楽事業者協会」(音事協)を中心とした力学が働く社会のことです。その政治力学が働き、主演が決まっていたドラマから降板させられるといった異常事態が続き、それまで亜美さんを応援していたマスコミもバッシングに走りました。

 

訴訟では、ギャラ問題も争点の1つとなりました。亜美さんの独立を主導した父親は、法廷で「浜崎あゆみは、今年6億6000万円の所得があった。鈴木あみは3700万円で、およそ20倍の開きがあるのはおかしい」として、出演料の明細を明示してほしいと主張していました。

 

ちなみに、本書で詳説していますが、アメリカ、カリフォルニア州のタレント・エージェンシー法では、エージェントが徴収する手数料はタレントに明示し、ギャラが入ったら、30日以内にタレントに支払わなければならないという規定があります。自分がいくら稼いでいるのか知ることができない日本のタレントは気の毒です。

 

判決では契約の終了が認められましたが、裁判所が仕事の斡旋をしてくれるわけではありません。「あみ~ゴを引退させたくない」というファンの運動も盛り上がりましたが、それも限界があり、結局、亜美さんは約4年間、満足に芸能活動ができませんでした。そして05年に独立の道を捨て、エイベックスに移籍して、ようやく本格的な音楽活動ができるようになりました。

 

では、どうして、復帰が実現したのでしょうか?

 

音楽出版権を調べてみると、事情がわかります。音楽出版権というのは、音楽出版社が作詞家、作曲家に支払う著作権の管理料として利益を得られる権利のことで、JASRACのホームページで調べられます。

 

独立前の「鈴木あみ」名義の楽曲は43曲ありますが、そのうちの42曲、復帰後も94曲のうち64曲の音楽出版権をバーニングパブリッシャーズ保有しています。同社は、音事協の中心的芸能プロダクションであるバーニングプロダクション系の会社です。

 

つまり、楽曲の権利を見る限り、バーニングからバーニングへの出戻りです。実際、バーニングは亜美さんが干されていた時に、テレビ局に圧力をかけていました。マスコミに「あみ引退」と書かせていました。

 

…干された芸能人より