隕石ハンターの聖地は 日本にもあった。
岐阜県の長良川…金華山の麓の岐阜市長良は 私には特別な街です。
第二次世界大戦末期の昭和19年秋 当時16歳の少女が家族と共に長良地区 上空に出現した火球を目撃しました。
彼女は自宅の庭先で、たらいに湯をためて足を洗っていたところ 自宅西方の長良川にかかる長良橋の上空から東に向かって、直径５０センチぐらいの火の玉が飛んでいくのを見ました。
その火球は 上空で大きく２つに割れ 無数の数に分裂して 向かいの山に落ちたそうです。
まずは その目撃情報を 現在の写真で見てみましょう。
隕石は岐阜市上空の 左 上空から 右へ
長良地区 上空で隕石は２つに分裂し
右下に見えるホテルの裏 上空を右から左へ
左下に見えるホテルの裏から 直線上に隕石の破片を落としながら 向かいの山に激突しました。
マリアナ諸島テニアン島で兄が戦死したとの知らせがあった直後で、母は 『南の島へ戦争に行った長男が帰って来た。魂が帰ってきた』と、母が手を合わせていたのが強く印象に残っていると証言しています。
時は過ぎ 平成24年 近くに住む男性が畑で偶然拾った石が その時 目撃された隕石でした。更に 発見された畑から数百メートル離れた空き地でも 隕石が見つかりました。
持ち込まれた隕石を分析した岐阜成徳学園大学の川上紳一教授は『発見したものはニッケル含有量が少なく、ゲルマニウムが多い「IABグループ」に属する鉄隕石』と発表。
隕石は 『長良隕石』と命名されました。
国内で発見された鉄隕石はこれまでに8個しかなく、隕石発見も約15年ぶりだという。
しかし 発見は 更に続きます。『長良隕石』は その後 岐阜市科学館で展示していました。その隕石を見学した岐阜市民から 似たような石を過去に発見していたという情報が科学館に寄せられました。
この物体は10年ほど前に長良隕石の発見地の近くで見つけたもので その後、近くの資材置き場に放置されていたが、長良隕石の報道を受けて自分が発見した物体が長良隕石に似ていることに気づいたという。発見者によると、同様の物体は複数個あったといいます。
日本国内で 現物の隕石と目撃情報が揃った まさに第一級の隕石は この『長良隕石』しか まずないでしょう。
それも 岐阜市の長良地域という 小さな地域で 続々と隕石が発見されています。 この地域は 隕石ハンターの聖地です。
隕石が落ちた場所は 今ではゴルフ場になっています。そのゴルフ場開発で 恐らく たくさんの隕石が どこかに捨てられたのでしょう。 それを 隕石ハンターは探しています。
この話は 大ヒットしたアニメ映画『君の名は』の題材になっているようです。
