もふもふ大好き 怪盗仏陀

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古事記の神話の起源は縄文時代にある

地震、火山の大噴火等 非日常の自然災害を目前にしたとき 人はその経験を のちの世に伝えたいと思うはずです。

それは 太古の人間も同じです。縄文時代は一万数千年続き その間に日本近海で地球規模の巨大な火山活動がありました。 縄文人はその経験を語り継ぎ それが古事記神話の『種』になりました。

七千年前 九州本州南端の沖合で起きた巨大噴火。それはアマテラスとスサノオの神話に結びつくのでは?…… とても オカルト的な発想ですが 近年 真摯に向き合い研究がなされています。

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まずは 古事記とは どんなものなのか?

爾、高天原皆暗、葦原中国悉闇。因比而常夜往。 於是、万神之声者、狭蠅那須満、万妖、悉発。

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アマテラスの『岩戸隠れ』の有名なエピソードの冒頭シーンの原文です。


内容は
高天原の全域は暗くなり、葦原中国【あしはらなかつくに】はことごとく闇におおわれた。永遠に夜がつづく「常世」となった。多くの神々はうろたえ騒ぎ、あらゆる災いごとが生じた。
【火山で読み解く 古事記の謎 参照】


この神話は荒唐無稽な物語なのだろうか? 決してそうではないという研究者が 増えてきています。
『火山と日本の神話──亡命ロシア人ワノフスキーの古事記論』


7300年前 九州本州南端の沖合で起きた巨大噴火。鬼界カルデラの大噴火は海底噴火にも関わらず九州の特異な縄文文化が滅亡しました。

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近年の研究で 当時の巨大噴火の輪郭が次第に明らかになってきています。薩摩硫黄島付近の海底火山が噴火し 海抜43kmの高さまで巨大な噴煙の柱が出来たそうです。旅客機の飛行高度は10km位なので 噴煙柱の高さは そのはるか上空の 宇宙レベルまで達しています。

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噴煙のあと 地表の大規模な陥没が始まり、高熱のマグマが引き溢れて 周辺に火砕流が円心円状に広がったといいます。巨大な噴煙柱は 自らを支えられなくなり倒壊し 巨大な火砕流となり地表を焼け尽くします。


火砕流は 摂氏何百℃という高熱なので 海面に触れると海水が沸騰状態となり まるでホバークラフトのように 海面すれすれを火砕流が走り抜けます。
そのスピードは地上で時速100kmと云われるので抵抗のない海面では 時速300km以上あったと言われています。

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火砕流の被害は屋久島、種子島、九州海岸部の平地まで達していました。これらの地域は 一瞬のうちに全ての動植物が死滅しました。 火砕流が発生して1時間以内の出来事なのだそうです。



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その痕跡は 南九州のシラス台地として 今に残されています。シラス台地は火山灰や土石流が20-100メートル程度積って形成されました。



その大惨事を見たり 聞いたりした 縄文人は どんな思いだったろう。縄文人は文字を持っていません。文字を持たない言葉はアイヌ語も同じです。アイヌ文化を調べると縄文人の口承方法も推測できます。

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アイヌは どのように自分たちの物語を 子孫に伝えていったのか? アイヌ民族にはユーカラという歌による叙事詩があります。アイヌの英雄や神々をユーカラで口承しています。長いユーカラは物語が終わるまで数日間かかると云います。


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縄文人アイヌ民族ユーカラのような口承方法で この喜界カルデラの大噴火のことを歌い 子々孫々伝えていたのではないでしょうか?

その後 天皇の祖とするアマテラス神と繋がり アマテラスとスサノオの神話に重なっていったのではないでしょうか?