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日本神話の起源は巨大噴火にある

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約6000年前の縄文時代前期 世界の海面は今より1.5m近く上昇していました。この時期は ここ5万年の中で地球上が一番暖かい期間でした。現在より平均温度が2~3℃高かったと言われています。日本のほとんどの平野は海水で覆われ 関東平野の海岸線は 現在より50~60km内陸にあったそうです。

この時期の海面上昇を『縄文海進』といいます。

これは太陽の日照率の変動で起こる地球規模の温度変化…氷河期 間氷期 温暖期【極地や 山岳地帯の氷河の成長】に伴い 海面も上下します。

温暖期【6000年前】は1.5m海面が上がり、氷河期【2万年前】 特に寒冷が強い氷期は 現在より100m海面が下がっていました。 【因みに 現在は氷河期の氷期が弱い間氷期です 】

※ これは縄文時代弥生時代を読み解くには 頭の片隅に必ず入れておく必要があります。
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古事記 日本神話の起源は縄文時代の巨大噴火にある』

この『古事記と巨大噴火』の説は 日本人ではなく ワノフスキーというロシア人の著書『火山と太陽-古事記神話の新解釈』【1955】に発表されました。

彼はレーニンらと共に行動したロシアの革命家です【日本に亡命後 早稲田大学文学部教授】

この本は神道関係者で評判になりましたが 学会では長い間 注目はされませんでした。ワノフスキーは 古事記に現れるスサノオを巨大な火山の噴火として解釈しています。

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古事記神話のストーリーは簡単に言うと『神々の戦いの物語』です。高天原の神々と出雲の神々の戦い、イザナギを追撃する黄泉の軍団、神武天皇ヤマトタケルの遠征など……戦ってばかりいる日本の神々の中で特に好戦的なのは アマテラスです。出雲の神々との戦いでは この女神が司令官として指揮をとっています。アマテラスの弟に スサノオとあまり出番のないツクヨミ【ツキヨミ】がいます。古事記では 父母はイザナギイザナミです。父のイザナギは アマテラスには高天原 ツキヨミには夜の国 スサノオには海の世界の支配を命じます。しかし スサノオは それが不服なのか 立派なヒゲをはやす大人になっても泣きわめきます。
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- その泣くさまは 青々とした山を枯れ山のように泣き枯らし、河や海はすっかり泣き乾してしまった。そのため悪しき神の声は、五月ごろ騒ぐ蠅のように満ち あらゆる災いをもたらした-
『新編日本古典文学全集 古事記』より

スサノオは海の支配を任されています。その海の神の号泣は まさしく海で起こっている事を表現しています。7300年前 鬼界カルデラ噴火は海底火山の爆発です。

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次に『山を泣き枯らし 河や海を泣き乾かした』とは……噴火は火砕流を伴います。鬼界カルデラ噴火の火砕流は半径100km以上に広がりました。スサノオの号泣が『山を枯らし 川と海の水を乾かした』程の もの凄い途方もないエネルギーということは その正体は 巨大噴火の火砕流ではないかと仮定すれば納得出来ます。

大正時代 桜島で大きな噴火がありました。噴火のあと 海面に無数の軽石が漂い サクラの花びらに覆われた池のようになったと記録されています。噴火の規模は違いますが 白い軽石に覆い尽くされた海 その光景はスサノオによって泣き乾された海のイメージに結び付きます。
【火山噴火が狩猟採集社会に与えた影響-鬼界アカホヤ噴火を中心として】参照

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その後 スサノオは父のイザナギに神々の世界から追放されます。スサノオはアマテラスの高天原に出現します。アマテラスは自分の領国を弟が奪いに来たと疑いました。アマテラスは 鎧に身を固め 矢を背負って武装スサノオの来襲に備えます。

弓に内側を振り立てて 堅い土の庭に ももが埋まるまで踏み込み 地面を 粉雪のように蹴散らかして 雄々しくむかえうつ-

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アマテラスは 今で云う 相撲のシコ【四股】を踏んでいるのです。四股は大地を鎮めるため 豊穣を祈願する意味があります。力強く踏む四股が地鎮の神事の所在なのです。『堅い土の庭』は土俵に似ていますし 弓を振り立てるのは 大相撲の「弓取り式」のようです。

古事記では スサノオ高天原に向かうようすが書かれています。

『山川ことごとく動き 国土みな震【ふる】ひき』

アマテラスが四股を踏む理由は スサノオによって揺さぶられる大地を鎮めるためだと分かります。

その後 アマテラスは戦いに敗れ そのスサノオの傍若無人さに アマテラスは岩の洞窟に隠れます。これが有名なアマテラスの『岩戸隠れ』と呼ばれるエピソードです。
このため 世界は光を失い永遠の夜【常世】が訪れます〰‼👅
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