もふもふ大好き 怪盗仏陀

のんびりと更新します。

『ハ』『ヒ』『ケ』の話

f:id:mickymagicabc:20180215121821j:plain

津軽弁はホント面白い方言です。
短い言葉で会話が出来てしまいます。

例えば『a……ケ』『b……カ』で……
『a……食べなさい』『b……食べるよ』。

『a……ク?』『b……ク』で……
『a……食べる?』『b……食べるよ』。

『a……ネネ?』『b……ネネネ』で……
『a……寝ないの?』『b……寝ないよ』等々

更に津軽弁では『ワ……私』『ナ……あなた』『イ……いいよ』『エ……家』『カ……食べます、はいどうぞ』『ケ……痒い、下さい、食べなさい』など たくさんあります。

『寒さで言葉を話すのが億劫で短くなった』と青森県民は自虐的に言いますが もしかしてホントにそうではないか?と思ってしまいます。

【因みに 津軽弁と南部弁は違います。間違えると怒られますよ……歴史的に仲が良くないので〰‼👅たぶん今でも?】

しかし、古代の日本語【上代日本語】を調べると短い言葉にたくさんの意味が含まれていました。 ※ 上代日本語とは 奈良時代以前の日本語の発音や言葉の事です。

f:id:mickymagicabc:20180215122011j:plain
例えば……『ハ』です。

『ハ』とは隅っこのハジことで 先端のことを意味しています。

「葉っぱ」の【ハ】も先端にあるので「葉」は【ハ】になります。

「歯」も先端部分ですから【ハ】です。「羽」「刃 」「波」 も全て先端なので【ハ】と読みます。

更に【ハ】は次々と新しい言葉を生み出します。

先端部分と先端部分を繋ぐ部分は「橋」【ハシ】で最初の【ハ】は「先端」を【シ】は 「終わり、終了 、完了」を意味して それを合成して「橋」。

ごはんを食べるとき 先端の手で持つので「箸」。

「橋」【ハシ】から派生したのは 「柱」「梯子 ハシゴ」「 梁 ハリ」等々。

顔の先端は鼻【ハナ】。 葉の先に付くから「花」【ハナ】。

先端の伸びきっている状態が【ハハ】……先端の延びきっている状態のものとは……「ヘビ」です。上代日本語では「ヘビ」を「ハハ」と呼んでいたそうです〰‼👅

f:id:mickymagicabc:20180215122130j:plain
『ヒ』は 以前 古事記神話で『産巣日 ムスヒ』の事を書きました。 その【ムスヒ】の【ヒ】です。

古事記では『日【ヒ】』ですが 日本書紀では『霊【ヒ】』と書いてあります。

つまり、【ヒ】は御霊【みたま】や 太陽の霊力の事です。なので 天皇の位を「日嗣 ヒツギ」といい、男神の名につく彦は日子、女神の名につく姫・媛は日女などと表しています。

しかし 古事記に書かれている神々は 中国の道教に影響されています【これは またいつか書きます】

つまり 神々の「御霊 ミタマ」には 陰の性質と陽の性質を持っていると考えられていました。 ですから【ヒ】は「非」「比」「婢」と陽の性質の「日」「霊」とは 正反対の言葉にも使われます。

神々は崇めると良いが たまに禍を起こす恐ろしいものって事でしょうね〰‼👅

f:id:mickymagicabc:20180215122325j:plain

※ 因みに 火は【ヒ】ではなく【ホ】に分類します。今でも 「炎、焔、火照る」という言葉があり、更に 「干す、星、蛍」も火を示す【ホ】に関わります。

元来火【ホ】は稲穂の事です。

弥生時代の長い稲作文化に影響されたので「稲穂【ホ】の火【ホ】」と本居宣長【江戸時代の国学者】が断言していますが 最近 言われているのは その全く逆の 山から噴き上げる神秘の火【ホ】ではないかと考えられています〰‼👅

f:id:mickymagicabc:20180215122417j:plain
最後は『ケ』です。

青森の津軽弁では『ケ』を「食え、食べなさい」と言いますが、実は古代【上代日本語】では 【ケ】は「食べ物、食料」の事をいいます。

例えば……「あさげ」「ゆうげ」 地方では「あさけ」「ゆうけ」とも言いますが 「朝食、夕食」の事です。


因みに 口の先 歯の先から出て行く言葉だから『放』【ハナツ】…放つから話す【ハナス】。これで 『話す』の言葉になりました。

以上……
『ハ』『ヒ』『ケ』の『話』でした。