ドナルド・トランプ大統領とプロレス
【2】トランプ氏の過激言動はどこからくるのか? なぜアメリカ人はその前代未聞の過激論者をヒーローのように崇めるのか? 特に米南部に人気があるという‥‥生粋のニューヨーク子のドナルド・トランプ氏が何故?‥‥‥‥そのルーツが 実はプロレスにあったということを知っている日本人は少ないだろう。
ドナルドトランプ次期大統領
2007年 トランプ氏は世界最大のプロレス団体"WWE"にシリーズで出演していた頃があった。
その頃の トランプ氏は すでに著名人だった。特にリアリティ番組「アプレンティス」で出演者たちに対する「お前はクビだ!」との決めゼリフが好評を博していた。
ところが、このフレーズは、そもそも"WWE"のオーナー、ビンス・マクマホン氏がレスラーに言い放っていた十八番。そんな因縁を引きずり、トランプ氏が宣戦布告のビデオレターで挑発した。
ここから ちょっと時代を先のぼり、アメリカプロレスの歴史を紐解きます。
アメリカには2つの大きなプロレス団体があった。一方はビンス・マクマホン氏が率いる"WWF"現在の"WWE"だ。拠点はニューヨーク。【自然団体"WWF"のクレームで団体名を変えた】
一方のプロレス団体は全米ネットニュース局CNNの創設者 テッド・ターナーがオーナーの"WCW"だ。拠点はジョージア州アトランタにあった。
この"WCW"は前身が"NWA"といい 馬場 猪木 藤波時代を知っているプロレスファンは馴染みの団体で、歴史や知名度など含め、当時は全てに置いて"WWE"に勝っていた。
1997年 日本も巻き込んだブームが"WCW"にあった。それは"nwo"というロゴだった。雇われオーナーのビンス・ルッソーが提唱した団体内グループだ。
ハルク・ホーガン率いる荒れくれ新参もの軍団"nwo"と現正規軍【代表株はリック・フレア】のお金持ちスター軍団"ミリオネアーズ"【億万長者】の抗争だ。
実は この抗争 実際のギャラで対立していたことが発端となっていた。
"nwo"は米南部出身が多く"ミリオネアーズ"は米北部出身が多かった事など、アメリカの地域性も観客が熱中する要因になっていた。
当時 テッド・ターナーがオーナーの全米ネット局TBSで放送していた"WCW"の番組を生放送中にも関わらず"nwo"軍団が乱入。番組をぶち壊し番組をジャクしたりと‥当時の"WCW"はまともなプロレスなど全く無く裏ストーリーが中心だった。シナリオを書いていたのは雇われオーナーのビンス・ルッソー。彼はテレビ番組の元プロデューサーだった。
視聴率はうなぎ登り。"nwo"のシャツは全世界で爆発的な売り上げを記録していた。そして"nwo"のレスラーたちのギャラもうなぎ登りに上がった。
しかし、ブームは2年と持たず、オーナーのテッドターナーはレスラーの高額なギャラに頭を悩まし、とうとう 4人のレスラーに団体を売り【雇われオーナーのビンスルッソーは既に首になっていた】
番組自体を全米ネット局の"Fox"に売ってしまったのだ。さらに、その4人のレスラーは"WCW"を 今まで敵対していたビンス・マクマホンに売ってしまったのだ。
その時の"WCW"主要メンバーは その日に首を宣告された。ハルクホーガンに至っては生放送が"Fox"で放送されているのも知らされず、試合中に他団体のビンス・マクマホンが現れたところで初めて ことの真相を知ったのだった。
そしてリング上でまじの首宣言をされたのだった。
これが 今のビンス・マクマホンの捨て台詞「お前は首だ」のフレーズのスタートとなる。
それ以降、全米を代表するプロレスの本拠地はニューヨークになり 本当のお金持ち"ミリオネアーズ ・ビンス・マクマホン率いるWWE"の一部となってしまったのだ。
米南部の人間は その事に対しの不満が2000以降 ずーと燻り続けていた。
【日本では分かり辛い問題だが、野球団体に例えると何となく分かって貰えると思います】
それだけファンをないがしろにしたひどい終焉だったのだ。
長くなりそうなので 続きます。